ゲームレビュー ＣＬＡＮＮＡＤ－クラナド－

ＫＡＮＯＮ、そしてＡＩＲと泣けるエロゲを発売してきたＫＥＹの全年齢対象ゲーム、ＣＬＡＮＮＡＤ－クラナド－をプレイし終えましたので簡単にレビューします。（あらすじ、登場人物につきましてはＯＨＰで）

システムにはプレイに必要なものがちゃんと揃っており、これといった欠点はない。セーブ出来る数もまぁ、丁度良い。

サウンドは前作ＡＩＲと比べると多少パワーダウンした感もあるが、それでもやはり素晴らしいの一言に尽きる。各曲の使いどころもまた見事で、物語にプレイヤーを力強く引き込む力の一つとなっている。

絵は・・・、違和感や嫌悪感覚える人も少なからずいるとは思うが、そこはそれ。慣れるまで暫くの間我慢してもらいたい。ＫＥＹ信者の自分も違和感を覚えた。（椋や由紀寧の立ち絵なんか特に）
あとＣＧ枚数が少ない。シナリオの量が膨大なので、もうちょっとＣＧを増やしてほしかった。

シナリオは思わず首を傾げてしまうようなものもまま（杏・智代・由紀寧・椋シナリオとか）あるが、全体として良く出来ている。クリアする順番にもよるとは思うが、渚シナリオ（アフター込）は特に秀逸。ただ、先にも書いたがシナリオ量が膨大で、またフラグも尋常じゃないほどあるので、のめりこめない人には少し辛いかもしれない。シナリオの展開は、平凡だけど楽しい日常→悲劇→ハッピーエンドといったこれまでの２作品に通じるパターン。

テキストは軽快にして読みやすく、面白い。主人公・春原・杏のかけあいや、古河家のかけあいはついつい声をあげて笑ってしまう。文に癖があって読むのに抵抗があるという人もいるようだが、よっぽどの抵抗で無ければ気がついたらすっかり没頭してしまっていることだろう。重要なシーン（見せ場）はしっかりと魅せてくれる。

キャラクター。プレイしていても行動原理が良く分からない、もっと言えば動いていないキャラクターが数人いたが、古河一家や風子などその他のキャラクターが十分に生き生きと動いていたので、動いていないキャラのことなど大して気にはならなかった。その中でも秋生はホントに素晴らしい。

全体としてみて、ＫＥＹの集大成といったゲームと言えるんじゃないだろうか。ただ、集大成と言えるだけの要素が存分に詰め込まれているために、それを全て見終えるのは一仕事。やり終えた暁には充実感と感動が胸に残るであろうとは思うが、いかんせん量が量だけにその分だけ敷居が高くなっているのは難点か。これを始める前にＫＡＮＯＮ、ＡＩＲをやってみては如何だろう。
それにしてもこのゲーム、一応はギャルゲーなのに「萌え」とかそういう類のものを捨ててる感がして新鮮。「萌え」以外の【何か】を提示して、ギャルゲーを成立させた本作品は大変に面白い。
そのことを鑑みれば、見逃せない難は幾つかあるものの間違いなく名作の一つであると思う。

１０点中８～９点。

それにしてもこれ、クリアに要する時間の平均が８０時間って何・・・ｗ
ちなみに自分は４０時間かかりました。